20代の半ば、当時の彼女(現在の妻)と、それはそれは狭いワンルームに住んでいました。
収入も少なかった僕は、彼女へのプレゼントに小さなパキラを贈りました。
彼女はとても気に入って、大事に大事に育ててくれました。
次の年、やはり貧乏な僕は、そのパキラを今度は絵に描いて贈りました。
狭い部屋で、彼女が寝た後に、机の照明を灯して一人コツコツと描きました。
これがその絵です。
サイズはF0。ケント紙に透明水彩です。
彼女はとても喜んでくれました。
その後もパキラは二人で大事に育てましたが、いつしか枯れて、この絵だけが残りました。
二人とパキラの生きた証です。
富山県、神通川の神通第二ダムを見下ろす山の斜面に鎮座している白幡神社。
ここの狛犬の造形が個人的にとても好きです。
きりりとエッジが利いて、バランスも良く品があります。
古いものではなさそうですが、夏になると苔で全体に緑がかってしっとりとした質感が、シャープな造形と相まって趣を高めています。
小さな作品ですが、しっかりと描き込んでみました。
とても気に入っている一枚です。
20代の後半に、しばらく入院していた事があります。
窓の外を眺める日々の中で数枚の絵を描きました。
こちらはその中の1点です。
入院中に鉢植えはあまり良くないですよね。
まあ、絵を描くために自分で買ったものなのでありでしょうか(笑)
この空気感はこの頃の僕の絵の特徴です。
同名のアクリル画と同じ建物を違う角度から描いています。
この壁のモザイクに心ひかれました。
この建物、今は壊されてしまってすでにありません。
山間部の小さな集落の、小さな小さな記録の一つ。
僕の中にも、けして消えない何かが残りました。
皆さんはいかがでしょうか。
いつもケント紙に描くことが多いのですが、こちらは水彩紙に描いています。
僕の講座のテーマ「雰囲気ある水彩画」の例題として描きました。
教材に使用する水彩絵の具「ホルベイン」の12色セットの範囲内で、いかに雰囲気を出せるかを考えました。
使用している色は以下の5色です。
・クリムソンレーキ
・イエローオーカー
・プルシャンブルー
・バーントアンバー
・バーントシェンナ
+ガッシュのホワイトを背景に使用しています。
F0サイズのつもりで描いたのですが、もう少し大きな額に入れたほうが良さそうです。